事故により後部が損傷した車

「この車、事故車だとしても下取り価格安すぎない・・?」
修理歴がある、もしくは事故によって修理歴がついてしまった車のオーナーなら、一度は感じた事があると思います。
他にも、このような話は耳にしますので、感じる方は多いのだと思います。

では、実際のところはどうなのか?
ディーラーの事故車下取り査定について詳細をまとめます。

事故車って下取りしてもらえる?

下取りしてもらえる可能性はありますが、高値は期待出来ません。

市場に出回っている中古車は数多くありますが、国内で事故車(修理歴ありの車)はとても少なくなっています。
車体の基礎になる部分を修理していますので、安全性に疑問を持ってしまうのは仕方ないと思います。
特に日本では安全志向が強いので、事故車は嫌われやすいです。
逆に海外だと、修理歴はさほど気にされないのが意外でした。

中古車市場で売れにくいという事は、普通の車体よりも価格を大幅に下げないと売れないという事です。
そうなると、安く買取しないと利益が出なくなってしまいますので、下取り価格は当然に安くなります。
特に中古車販売があまり得意ではないディーラーでは、下取り価格を0円にするか大幅に下げるしかなくなります。

でも、例外になるパターンもあります。

下取りは、新しい車を購入するためのサービスの一貫なので、たとえ価値が無かったとしても、値引きの材料として下取りしてもらえる事もあります。
新車販売には目標台数がありますので、売上が厳しい時には下取り価格を上げてくるかもしれません。

ディーラーの下取り価格に疑問

見積もり価格に疑問を持っている男性

ディーラーに下取り査定をしてもらったら、思ったよりもかなり安かった。
普通は100万円くらいのはずなのに、事故車だからといって20万円は安くない?

事故車なだけでそんなに安くなる?
そんな疑問を持つ方は多いです。

では、その価格は適正なのかどうか。

想像の通り、事故車の場合、普通の車よりも下取り価格は安くなります。
どのくらいの価格が適正なのかは、カーセンサーなどの中古車販売サイトを見ると大体わかります。

同じ年式、同じ車種で、修理歴をありで検索します。
そうすると、大体の販売価格がわかると思います。

あなたの車はどの程度の故障でしょうか?
修理して走れないようなら、ディーラーの下取り査定は厳しいでしょう。

走れるようになる場合、修理費はどのくらいかかる状態でしょうか?
例えば、販売価格の相場が120万円だとします。
修理費が20万円、諸費用30万円だとすると、業者の粗利は70万円です。
これだと、下取り価格が安いなと思いますよね・・・

でも、販売価格が100万円、修理費が50万円、諸費用30万円だとすると、業者の粗利は20万円です。
相場通りの価格できちんと売れて、各種手続きも行って20万円なら適正ではないでしょうか?

こういった感じで、素人でも良心的な下取り価格かどうかは判断する事が可能です。

事故車を下取りに出した時のディーラーの対応

事故車を下取りに出した場合、値引き材料として下取り価格がつく事があります。
逆に、廃車処理のための費用を請求されてしまう事もあります。

メリットになる事もあれば、デメリットになってしまう事もあります。

ディーラーが使う駆け引きの例

「こちらが下取りに出した車は事故車なので廃車にするしかない。」
こう考えている時に、ディーラーに言われました。
「D:値引きはこれ以上厳しいですが、特別に下取り価格を5万円にしましょう。」
事故車なのに下取り価格をつけてくれて、廃車費用も必要ないのでお得だ・・・

よくあるケースですが、お得な交渉だったとは限りません。
下取りしないで車を購入する時にも値引きしてもらえた可能性はありますし、下取りではなく業者に売却したらもっと高くうれていたかもしれません。
ディーラーも赤字にするわけにはいきませんので、値引きと下取り価格はきちんと計算して見積もりを出しています。
事故車を下取りしたとしても、ディーラーのメリットになるようになっているはずです。

結局、本当にお得かどうかを知る事は、ディーラーとの交渉だけでは難しいわけです。
では、事故車を高く売るためにはどうしたらいいのか?

事故車を高く売るための業者選び

事故車・故障車の売却には2つの方法があります。

  • 中古車買取業者に売る
  • 事故車・廃車買取業者に売る

基本的に廃車にする事は考えません。
廃車費用がかかりますので、金銭的にメリットが無いからです。
そのため、上記の業者に査定してもらって、どんな車でもお金に替えています。

中古車買取業者

主に中古車ショップを運営する中古車業者です。
買取した車を店頭販売・輸出・バックオーダーなど、色々な方法で高く販売しています。
動く車であればどんな車でも対応出来るくらい、様々な中古車業者がいるため、下取りよりも高額買取が期待出来ます。
まだ動く車の場合は、中古車買取業者が最も期待出来ます。
不動車の場合は、事故車専門業者を選んだほうがいいと思います。

事故車・廃車買取業者

主に自動車解体業者で、車体を解体して部品として販売しています。
車のシート、エンジン、ドア、トランク、ミッションなど、使えるものはずべてパーツとして販売します。
残った鉄などの素材も重量に応じて売却して、無駄なくリサイクルしています。
ディーラーとは全く業態が違うため、部品の価値が買取価格に反映されます。

こういった業者に査定してもらう事で、動かない車でも引き取りに来てくれたり、買取してもらえたりします。
お金を払って処分していた車が、お金をもらって処分出来るようになりますので、利用価値はおおいにあります。

ディーラーに事故車として誤査定されてしまった時はどうする?

ディーラーに下取り査定をしてもらった時に、修理歴があるから下取り価格が下がると言われた・・・
修理なんてしたこと無いのになぜ??

査定してもらうディーラーによってはこういった事が起こる場合があります。

基本的に下取りでチェックする部分は決まっていて、事故かどうか判断する箇所も決まっています。
事故歴については、ボンネットやドアなどの躯体パーツを接合するネジ部分を見ます。
通常は部品交換をしない場所なのに、ネジが外された形跡があると必ず疑われます。

事故車ではないのに事故車としてしか査定してもらえないのなら、下取りに出すのはやめたほうがいいと思います。

よくあるのが、ネジを外していないのに、外していると判断してしまう未熟な査定士の判断です。
片方だけ錆びがある、片方だけ綺麗など、確信が持てない理由でも保守的に判断してしまいます。
ネジを回すと角や周辺に傷やスレが出来るため、プロが見るとあまり間違う事は無いそうです。

これだと正当な評価はしてもらえませんので、こういうディーラーの下取りは避けたほうがいいでしょう。